創業物語 第1章

第1章 経営者に向いているのかな?
第1章 経営者に向いているのかな?
1節 僕は経営者として向いていないかな
こんにちは、イケショウリフォームの池辺 晋一朗です。
今日は、なぜ私が「おうちの修理をする仕事をしているか」を聞いてください。
それは私の大切なお客様の三瀦さんに出会えたことにあります。
ちょうど3年目の決算が終わり会社を設立して3年での生存率は50%だし、
このまま頑張っていけばもっと大きくできるはず。
一方で社員とは私の考える経営方針とのすれ違いで、少しわだかまりがでてきていました。
しかし、やっと事業も軌道に乗り、先が見えてきたので、しっかり話をしよう。地盤を固めよう。
その日私はそう意気込んでいました。
いつも通り朝の出勤をして、
事務作業をしていた時に社員から話があると伝えられ、「別室で話しません?」と言われ、
別室に向かうと、退職の意向を伝えられ、退職願を渡されました。
正直初めてのことで、退職願を受け取ることで精一杯でした。
今の現実がなぜ起きたかを考えることもできず、
そしてどんな行動をとったか、何て社員と話したか・・・頭が真っ白になりました。
2節 理想と現実は、、、
真っ白になった頭の中で、その時思ったことが、
「こんなに苦しい思いをして、仕事していく必要があるのか?」
「自分には経営者は向いていないかな?」
「今までやってきたことは、全部無駄だったのかな?」
「経営とは、お客様のことは何も考えずに会社の売り上げだけ上ればいいのかな?」
理想では、お客様の笑顔がいっぱいで、あの時はFCRさんに頼んでよかったねと思ってもらえる会社を創っていこうと言っていますが、
現実では信じていた社員が辞めてしまい、その理想と現実の差に直面した時
私は一番近い距離にいる社員の笑顔さえも守れなかった自分が、情けなかったし、本当に辛かった。
3節 あの笑顔が何度も浮かんできて
朝会社に出勤すると、今までいた社員が居ない。
本当に切なくて、苦しかった。こんなに苦しい思いをするなら、会社をたたんで楽な道に進もうと何度も何度も思いました。
「楽な道に進もう」と思う度に、まだまだ未熟な私を信用してくださり、
リフォーム工事を任せて頂いたお客様の顔が、何度も浮かんきて、
「若い会社だけど、池辺さんのことは信用するから任せるよ」
「池辺さんの会社の方針が素晴らしいから、お願いしました。」
「あなたに色々教えてあげたでしょ?頑張ってね。応援してるから。」
「毎月頑張っているから、本当に努力していて素晴らしい」
励みになりました。その言葉にどれほど助けられたことか。
本当にありがたく思っています。
4節 悩んで1日が過ぎ、また1日が過ぎ
ただ…
それでも私は、楽な道を選ぶことを捨てきれずに、
「僕は、経営者として本当にこの先やっていけるのか?」と考えずっと悩んでいました。
ふとした時にいつも考えていました。
答えが出ない。でも、ひたすら考えました。
悩んで1日が過ぎ、また1日が過ぎ・・・
私は、一人で抱え込んでも、何も生まれてこないと思い行動することにしました。
私の大切なお客様の一人の三瀦さんに会いに行きました。
5節 辞めちゃったの?
三瀦さんとの出会いは、私が会社の経営方針をお客様が
「笑顔いっぱいで、あの時はイケショウリフォームさんに頼んでよかったね」と言ってもらえる会社にしようと
私が思うようになって、経営の勉強をする中で、会社のチラシをどうしようか、試行錯誤しながら一生懸命、作ったチラシで、
はじめてお問い合わせをしてくださったのが三瀦さんでした。
今考えると励ましが欲しかっただけかもしれません。
三瀦さんに甘えていたのかもしれません。
助けて欲しかったのかもしれません。
そして、この日の三瀦さんの一言にとても助けられることになりました。
- 私「三瀦さんにちょっと話したいことがあって、今日はお伺いしたんです。」
- 三瀦さん「あ?そうなんですか?ほら入って入って」
- 私「実は、Kが辞めてしまって僕一人になってしまって…」
- 三瀦さん「Kさん、辞めちゃったの?」
- 私「そうです。」
- 三瀦さん「そっかぁ。なんかあったの?」
- 私「給料を払えないとか、そういったのではなくて、多分経営方針を変えたからだと思うんです。
今までは経営方針という方針って正直あまり決まっていなかったんです。
ぼんやりとこうしたいなという思いはあったんですが、
実際行動までは僕がしていなく、その時に入ってきたのがKだったんです。」 - 三瀦さん「あーなるほどね。社員が社長の変化についていけなったんだね。
僕は何社もアパレル会社のずっと社長のNo.2をやってたからね。」
6節 池辺さんは間違ってないよ
- 私「そうだったんですね。そう。
会社の方針を変えると今までやってきた会社のルールや行動も変えなくちゃいけなかったんです。
今まで社員に対して黙ってきたことも言わなくちゃいけなくなって・・・
なんかその辺からうまくいかなくなってきた気がして」 - 三瀦さん「それはね、池辺さん。
池辺さんは何も悪く無いよ。だって会社も黒字なんでしょ?
社長という仕事はね。
信念があってそれについてこいという人がやる仕事だから、
私の年になればいろんな経験してるからね。
いろんな社長を見てきたけど、池辺さんのやり方は絶対間違ってないよ。」 - 私「そうですかね・・・でもやっぱり社員は僕を信用してくれて・・・」
- 三瀦さん「多分Kさんは、3ヶ月後とかに戻ってくる思うし、自然と池辺さんと同じ思いを持っている人が集まるから、何も心配しなくていいと思いますよ。」
- 私「戻ってきますかね?」
- 三瀦さん「わからないけど、でも今池辺さんの方針は、僕も若いうちはわからなかったですよ。
でもね、30歳過ぎたあたりから今までわからなかったことが
だんだんわかってくるようになるから、池辺さんは若いんだし大丈夫ですよ!」 - 私「ありがとうございます。」
7節 三潴さんの言葉にどれほど助けれたか
- 三瀦さん「イケショウリフォームさんが無くなってしまうと困るのであと50年ぐらいは続けて頂いて、お客さんの顔みながらね」
- 私「そうですね、ありがとうございました!」
まだまだ経営者として僕は未熟で自分はなぜこんな苦しい思いをしているんだろう?
会社をたためば楽な道はあるのに・・・
自問自答しながら、本当に苦しかった時に助けて頂いたのは三瀦さんの
「イケショウリフォームさんが無くなってしまう困るので、あと50年は続けて頂いて」
という言葉にどれほど僕が助けられたか、わかりません。
僕の今までの頑張りが報われた気がしました。
間違っていなかったのかな?と少し安心できました。
その時、自分の目指してきた経営方針が例え社員が辞めてしまっても・・・
絶対に間違いでは無いと再認識することができました。
三瀦さん、本当に本当にありがとうございます。
8節 だから私は
そして、私はこの出来事があった時に思いました。
お客様が笑顔いっぱいで、
「あの時はイケショウリフォオームさんに頼んでよかったね」と言ってもらえる会社を創ることが、私の仕事だと。
どんなに苦しいことがあっても
うちのお店を信じて任せてくれたお客様がいる限りもう悩んだり、挫けたりしないと決めました。
三瀦さんが、私が本当に苦しい時助けてくれたように
私も困っている人がいるならその方の助けになることができればと思っています。
今の僕にはそれしかできません。
そして無理をしてリフォームするものでは無いと思います。
今の生活を圧迫してまで、リフォームするのも違うとも思っています。
私の仕事は「単にリフォームのご契約を頂くこと」ではなく、
何かあった時に「あの時に相談しとけば良かった」と後悔する人を1人でも減らすこと。
「話したいけど、相談したいけど誰に話していいか分からない」と悩んでいる人を1人でも減らすこと。
リフォームが本当に必要になった時に
「もっと早く知りたかった。もっと早く来てよ」と言ってくださる方を本当に大切にすること。
9節 どうかあなたが
「あの時はイケショウリフォームさん、池辺さんに頼んでよかったね」とご主人様、奥様が笑顔になれますように。
ご縁を頂いた方が、もし何かあった時に直ぐに名前を思い出して頂けるように。
池辺がしてくれるから、安心出来ると言って頂けますように。
「あなたが来てくれて良かった。」と悲しそうな顔、不安そうな顔、怒っている顔が笑顔になりますように。
「こういう場合はどうしたら良いの?」と、1人で不安に思っている方へ寄り添うことができますように。
「知識がないから、信じてしまうのよね」
「思っていた金額と違った」
「売り込まれるのが嫌だった」
「あの時は信頼してたから、この人にお願いしよう、と思って…。でも…。」
と悲しむ方を1人でも減りますように。
10節 あなたに会えてよかったと
お客様ご本人にも、その方の愛する大切な家族皆さんにも、何かあった時、安心して笑って暮らしていけるよう
私だからできるサポートをさせて頂くための仕事なのだと。
これからも微力ではありますが、一人でも多くの方のお家
大事なお家に住む大切なお客様の人生にもお家の修理屋として寄り添うことができれば。
せっかくのご縁を頂いた方や、大切なお客様が穏やかに毎日を過ごせますように。
リフォームの仕事以外でも「助かったよ、ありがとう」と言ってもらえますように。
その想いを大切にしていきたいと思っています。
これからも、1人1人のお客様の隣で同じ方向を向いて、リフォーム会社の池辺としてだけでは無く、
「あなたに出会えて良かった」と心から言って頂けるように、
素敵なご縁を大切にして参りたいと思います。
これからもお客様が
笑顔いっぱいで「あの時はイケショウリフォームさんに頼んでよかったね」と言って頂けるように、
この思いを大切にしていきたいと思います。
